小児科

小児科とは

小児科では、お子様が抱える症状や疾患に対して適切な診断と治療を行います。特に小さなお子様は自分の感じていることをうまく伝えることが難しいため、急な体調変化が生じることもあります。当院では、お子様の状態をしっかりと把握し、ご家族と密にコミュニケーションを取りながら診察を進めていきます。お子様に何か気になる症状が見られた場合は、お早めにご相談ください。

小児科で扱う主な病気

風邪(上気道炎)

ウイルス感染によって、喉や鼻粘膜に炎症が起こります。主な症状は、喉の痛みや鼻水、発熱、咳症状、倦怠感などが現れます。基本的に、安静に過ごすことで自然治癒しますが、症状が辛く緩和したい場合は対症療法を行います。また、発熱がある場合は脱水症状に気を付けて、十分な水分摂取を行うことが大切です。

気管支炎

ウイルスに感染することで気道や気管支に炎症が起こり、咳症状が現れます。小児の気管支炎に抗生剤が必要となることはほとんどありませんが、喘息など基礎疾患がある場合には注意が必要です。重度の症状がみられる場合は、入院加療が必要になるため、その場合には連携する専門の医療機関をご紹介しております。

喉頭炎(クループ)

喉頭は喉の奥にあります。その部分が炎症を起こしている状態を、喉頭炎と言います。主な症状は、呼吸しにくく苦しくなり、ケンケンという乾いた咳症状が出ます。自然治癒することがほとんどですが、独特な咳が酷い場合は悪化しやすいため、早めに受診してください。その場合は、ステロイドの内服を用いた治療を行います。

中耳炎・副鼻腔炎

風邪などで侵入したウイルスが喉や鼻で増殖し、中耳や副鼻腔に入り込んで炎症を起こした状態です。特に、小さいお子様はウイルスが中耳や副鼻腔に侵入しやすい身体の作りをしているため、かかりやすいとされています。主な症状は、耳だれや耳の痛み、鼻水、鼻づまり、高熱などが起こります。中耳炎や副鼻腔炎を起こした場合は、耳鼻咽喉科での治療が必要になります。当院では、風邪の症状があるお子様は、鼻や耳の状態も確認し、必要に応じて専門の医療機関をご紹介しております。

小児喘息

小児喘息は、気管支が狭くなることで喘鳴(ヒューヒューとすること)や咳、痰などの症状を起こします。気管支の炎症が進行し、些細な刺激によって喘息発作を起こす状態です。ハウスダストやカビ、ダニなどがアレルゲンとなることもあります。主に、気管支の炎症を抑制する薬を用いて喘息発作を起こさないようにすることが治療目標ですが、発作が起きた場合は症状を抑える薬物治療を行います。

急性胃腸炎

ウイルスや細菌感染によって胃や腸が炎症を起こしている状態です。主に、腹痛や下痢、吐き気、嘔吐など消化器症状を起こします。急性胃腸炎のうち、ノロウイルスやロタウイルスに感染した場合は、激しい消化器症状を起こすため注意が必要です。その場合は、脱水症状に十分注意が必要です。水分補給には、イオン飲料や経口補水液などを用いてこまめに行います。水分を摂っても嘔吐する場合は、速やかに医療機関を受診してください。なお、ロタウイルスはワクチン接種で予防することが可能です。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスに感染することで、高熱や咳症状、喉の痛み、鼻水などの症状が起こります。インフルエンザは、脳症や肺炎など重症化することがあるため注意が必要です。感染初期の段階で診断できれば、抗ウイルス薬を用いた治療が可能です。当院では、お子さんの症状や周囲の流行状況から疑わしい場合にはインフルエンザウィルス迅速検査を実施します。発熱直後だとインフルエンザに罹患していても検査で陰性となってしまう可能性があるため、発熱後24時間程度での検査を推奨しています。

突発性発疹

生後6カ月~2歳頃までの乳幼児に起こります。高熱が数日続き、解熱後に顔や背面、腹部などに赤い発疹が出てきます。発疹は3~4日程度で消失します。高熱後に発疹が出た場合は突発性発疹の可能性が高いですが、基本的に自然治癒することがほとんどです。

溶連菌感染症

溶血性連鎖球菌の感染で発症する上気道炎で、高熱と喉の痛みが特徴です。基本的に、抗生物質を10日間服用します。溶連菌感染症は、リウマチ熱や腎疾患など深刻な疾患に進行することがあるため注意が必要です。しっかりと抗生物質による治療を徹底し、感染を繰り返さないことが大切です。心配な症状がありましたら、お早めに当院までご相談ください。

プール熱
(アデノウイルス感染症)

アデノウイルスに感染し、高熱や喉の痛み、目やに、目の充血などの症状が現れます。特に、夏の時期に感染が増えるため、プール熱と言われていますが、プール外でも感染することがあります。

手足口病・ヘルパンギーナ

エンテロウイルス感染によって、乳幼児間で流行しやすい特徴があります。夏の時期に感染が多く、手足口病、ヘルパンギーナいずれも基本的に自然治癒するため治療は必要ありません。手足口病は、微熱が1~2日程続き、口の中や手の平、足の甲や裏、膝、肘、臀部などに水疱性の発疹が現れます。一方、ヘルパンギーナは高熱が出て、喉の奥に痛みのある水疱が出てきます。口の中に出来る発疹や喉の痛みによって、水分摂取や食事が摂れないなどの場合は、お早めに医療機関に受診してください。

水痘(みずぼうそう)

水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると、水痘(みずぼうそう)を発症します。感染後、2週間程潜伏期間があり、その後発熱と水疱のような発疹が出てきます。水疱が破れるまでは感染力が強いため、すべての水疱が痂皮化すれば登校可能です。水痘と診断された場合は抗ウイルス薬治療を行います。また、発疹の痒みが強い場合には薬の塗布を行います。

おたふくかぜ
(流行性耳下腺炎)

ムンプスウイルス感染によって発症します。耳下腺が急激に腫れて、痛みや熱が伴います。稀に、難聴や髄膜炎、精巣炎などを併発することがあるため注意が必要です。おたふくかぜはワクチン接種(2回接種が推奨)によって予防できます。発症から5日以上経って、症状が良好になったら登校可能です。

麻疹(はしか)

発熱が3日程度出た後に、一旦解熱しますが半日後に再び発熱し発疹が出ます。発疹は耳後ろから始まり、顔面や四肢に広がります。発疹が消失してから3日経過後に登校可能です。麻疹(はしか)は対症療法で症状を緩和させることしかできません。麻疹風疹混合ワクチンで予防することをお勧めしています。

風疹(三日ばしか)

発熱や全身の発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。数日で症状は快癒しますが、妊娠中の女性が初期に感染すると胎児が深刻な先天性風疹症候群になることがあるため注意が必要です。発疹が消失するまで登園・登校できません。

伝染性紅斑(りんご病)

ヒトパルボウイルスB19感染によって発症します。風邪のような症状のほか、両側の頬がりんごのように赤く染まり、手足にも赤みが出ます。感染力がないほか、いずれの症状も自然治癒するため特別な治療はありません。

熱性けいれん

急な熱の上昇に伴って起こるけいれん発作です。38℃以上の高熱を出し、突然手足がけいれん、硬直するなど意識障害が起こります。ほとんどのケースでは5分以内で治まりますが、15分以上など長時間続く場合は救急車を呼ぶなど緊急受診が必要です。小さなお子様に多くみられ、6歳以降になるとほとんど発作は起こらなくなります。繰り返しけいれん発作が起こる場合は、坐薬を用いて予防することもあります。

RSウイルス感染症

RSウイルスに感染し、風邪に似たような症状が現れます。1歳頃の乳児が感染すると、激しい咳症状や呼吸が苦しいなどの症状が出ます。気管支の炎症で狭窄が起こると、酸素吸入など入院加療が必要となります。気になる症状がある場合は早めに受診してください。

マイコプラズマ感染症

マイコプラズマという細菌感染が原因で、肺炎を起こします。幅広い年代に感染がみられます。小児では4歳以上で咳症状が強く肺炎が疑われる場合にマイコプラズマ肺炎の可能性が考慮されます。マイコプラズマ肺炎と診断された場合には抗生物質を用いた治療を行います。血中酸素飽和度が低下している場合には入院治療を行われます。

百日咳

百日咳菌に感染して、強い咳症状が起こります。夜中の乾いた咳症状や喘鳴などが起こります。特に、乳幼児は辛い症状に悩まされることがあるため、予防接種を受けることをお勧めしています。

川崎病

発熱や全身の発疹、首リンパ節の腫れ、口唇・舌・口腔内の発赤、眼球結膜充血などの症状が現れ、4歳以下の乳幼児に発症が多いとされています。心臓の冠動脈瘤などの合併症があるため、入院での治療が必要です。

腸重積

生後4カ月から1歳半頃までの乳幼児に多くみられる深刻な疾患です。腸管内に腸管が侵入している状態で、突然激しく泣き出し、嘔吐や血便など強い症状を起こします。血便は鮮やかな赤い便が出ます。危険な状態のため、速やかに医療機関を受診してください。

鼠径ヘルニア

腹部の臓器が飛び出して、太もも付け根の鼠径部が腫れた状態を、鼠径ヘルニアと言います。姿勢によって飛び出したり、引っ込んだりしますが、腫れたままの状態の場合は速やかに受診してください。自然治癒することもありますが、場合によっては手術治療が必要になることがあります。

こどもの便秘

子どもは便秘になりやすく、便の状態は健康のバロメーターでもあります。便秘は、何らかの疾患が原因の場合や、便秘から痔を起こす場合もあります。お子様の気になる便秘がありましたら、お気軽に当院までご相談ください。

こどものアレルギー

アレルゲンに対して、過剰に免疫が機能することでアレルギー症状を起こします。主に、花粉症や食物アレルギー、湿疹、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などを起こします。